【福岡】 博多シヤリング工業株式会社

「鉄の循環をつくる」技術のチカラを活用


博多シヤリング工業株式会社は1964年創業時より長年にわたり培ってきた「鉄の循環をつくる」技術のチカラを活用し、人と社会と環境の持続可能性に基づいた社会課題に取り組みます。あわせて地域に根差した誰もが活躍できる持続可能なモノづくり企業の実現を目指します。


SDGs宣言

2022年8月~2023年3月までの8か月間にわたり、通常業務と並行して全社員一人ひとりがSDGsへの理解を深め、自分事として捉え、部署を超えたグループミーティングを重ね、目標・計画の立案、宣言作成に取り組みました。

当社e-career connectは、社長面談、全社研修、グループ研修、リーダー研修、グループミーティングなどを通して同社がSDGs宣言に至るまでの伴走支援をさせていただきました。

内発表


2023年3月25日、代表取締役社長 野村 圭昭氏による社内発表が行われ、博多シヤリング工業として取り組むSDGs達成目標・計画が全社員に共有されました。

博多シヤリングが目指す未来

私たちは経営理念及び品質方針のもと、

「誰もが活躍でき地域から必要とされ、

そして未来から愛される企業へ」という

サステナビリティテーマを掲げています。

さらに、3つの「共」を柱とした取り組むべきSDGsへの貢献活動を定めています。

地球環境に配慮した人々の暮らしの豊かさを

支える製品やサービスをお届けすることは、

モノづくりを行う私たちの重要な責務です。

これまで培った技術を活かしながら、

ステークホルダーの皆様と「共」に

誰もが明るく暮らすことができる

持続可能な社会の実現に向けて、

積極的なSDGs活動に取り組んでまいります。

部署の壁を越え結成された5つのグループ。各グループのリーダー・サブリーダーたちが、グループメンバー一人ひとりの声が反映される環境を作ってきました。

左:合同会社e-career connect 秋山由美子

これから取り組むこと

全社員が自分事として自社の課題を捉え、言葉にするために何度もミーティングを重ね、3つのテーマに基づくSDGs目標を作り上げました。

経済

社会

環境

そしてそれぞれの具体的なアクションに取り組むグループが新たに再編成されました。

ここからがスタート!
各グループそれぞれの NEW ACTION への取り組みを、当社は引き続きご支援いたします!

▼博多シヤリング工業公式HPのブログにも今回の取り組みがUPされています。クリックしてご覧ください。


表取締役社長 野村 圭昭氏 インタビュ

野村社長に、今回の取り組みについて伺いました。

「なんちゃってSDGs」に危機感を感じたんです。

ーSDGs研修を導入しようと思ったきっかけについて教えてください。

実は2,3年前くらいから自分なりに勉強していたんですよ。SDGsという言葉をいろいろなところで目にするようになって、これはうちのような中小零細企業でも取り組めることがあるかもしれないと感じ始めていました。しかし何から始めたらいいか分からず、取り敢えず社員全員にSDGsバッチを配ってみたりしたのですが、それ以上に何をどう取り組んでいったらいいのか分からなくて困っていました。

そこにタイミングよくSDGsの研修会があって。「これだ!」と思って参加したわけです。そうしたら講師から「なんちゃってSDGs」なんて言われちゃいまして。危機感を感じましたよ。

今の子どもたちはSDGsをすでに学んできているわけです。私たちは数年後、SDGsの教育を受けた子どもたちに選ばれる企業になっているだろうか。そして「経営理念」。時代に合わせて「仕立て直す」という必要性があるんじゃないか、と。

伝えているつもりの理念不安だったのは「ズレ」。

ー研修の導入にどのようなことを期待していましたか?

長年続く歴史がある中で理念として掲げ続けてきたことがどの程度社員に腹落ちしてるか…気になっていました。そのあたりを改めて仕立て直す…というか、社員一人ひとりと確認がしたかったんですよね。


ー研修の導入にあたり、不安なことや心配なことはありましたか?

まず秋山さんから言われたことが「社長は口を出すな」って。
私が考えていることと、社員が考えていることに「ズレ」があったらどうするんだ?って不安はすごく大きかったです。
研修前には私も社員の理解を深めようとSDGsのことを朝礼で話したりして伝えたつもりではいたものの、実際は自分たちの仕事のどこがどう繋がっていくのか、全然見えていない状態。ちゃんと皆自分の意見など発言できるのかな、違う方向に行ったらどうするの?って不安な状況の中、「口を出すな」と言われたんですよ(笑)


見えていなかったことが見えてきた。それはもう、感動しました。

ーそのような不安な状況でスタートしたわけですが、研修が進む中でお気持ちに何か変化はありましたか?

研修での業務の棚卸やマップ作成の時の付箋の数を見て、会社のことをそんな風に思ってくれていたんだ、こんなこと考えてたんだ、とか。今までそういうことを発信できるコミュニケーションの機会がなかったこともあるかもしれないけど、有難かったですね。

今まで見えてなかったことが見えてきて、正直びっくりしました。それはもう、感動しました。社員のことが分かってきたっていうのかな。
会社への不の要素ももちろん色々ありましたけど、トータル的に見たら会社のことを本気で考えてくれてるからこそですよね。


ーリーダーの役割が初めてだった方もいました。社長はどのように感じていらっしゃいましたか。

とにかく一生懸命やってくれいていて、頼もしさを感じました。うちはものづくりの会社なんでおとなしいメンバーが多い…そう思っていたんですけど、実際にグループで活動する様子を見ていると、メンバーを引っ張っていってくれているんですよね。これまで知らなかった一面を見て、もっとできるっていう伸びしろを感じました。もちろんサブリーダーもいろいろ支援してくれたと思うんだけど。

すごくね、この8か月間で社員一人ひとりが前を向いて取り組んでくれたなって感じています。

「考え方」自体を勉強できた研修だったんじゃないかと思うんですよね。

ー導入研修を終えた今、導入当初懸念した「ズレ」はどのように振り返りますか。

あ、考えていることは一緒だったなって感じました。

「ズレ」もなにも、今までこんなに「考える」という機会が無かった。「考え方」自体を勉強できた研修だったんじゃないかと思うんですよね。

いつまでに何を、どうやって、どうする、という話し合いが自律的に起きてきたとき、変わってきたな、と感じました。これ、自社内で取り組んでいたら多分消えてたと思うんですよ。秋山先生がそのあたり引っ張っていってくれたおかげです。


会社がどうあるべきか、どういう方向性でどこに向かっているのか、そのために社員一人ひとりが何をしなければいけないのか。今までの、目の前の仕事をやれば終わる、という捉え方から、「組織全体としての仕事」という捉え方が浸透してきているのかなぁと感じます。

今回の研修をきっかけに、ある社員がグループウェアの導入を提案したんです。導入のための環境はすでに整っていて、コストはかからない状況。

現場の困り事が共有され、それに対する解決策を提案する人が声を出せて、それを承認する風土があって、皆が前向きに使い方を覚える。これまで頓挫していたことも含めて「ペーパーレス化・情報の共有化」がこの短期間で一気に進みました。研修と並行してまさにSDGsの実践ができたわけです。この変化は大きかったですね。

博多シヤリングの成長は社員の成長とともに


ー最後に、今後の展望をお聞かせください。

博多シヤリング工業は、これから社員と共に成長していきます。企業は、そこにいる人が育たないと成長しないと思うんです。

うちはそんな大企業でもなく、派手さもないけれど、地域社会に根付き本当に必要とされる企業になるために、小さな活動から取り組んでいます。これからはそんな取り組み一つひとつを発信していきます。うちではどういう人が働いていて、社会に対してどのような貢献をしているのかを見て知ってもらえるように、伝わるように。

まさに「生きたホームページ」で、これからの私たちの取り組み、成長する姿を多くの人に共有していきます。そしてホームページを見に来てくれる子どもたちに「こういう企業で働きたいなぁ」って思ってもらえるようになりたいです。

全員で作った自分たちの目標設定に向け、これからですよ、これから!


ー8ヵ月かけて皆で作り上げたSDGs目標。本日のSDGs宣言発表では、いよいよここからが自社の取り組みのスタートという意気込みを感じました。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!

新チームのリーダー・サブリーダーの皆様と。
前列中央左:合同会社e-career connect 秋山 由美子 中央右:三好真代

取材・執筆:合同会社e-career connect 三好真代
写真:パートナーフォトグラファー 橘 ちひろ