「食・人・時」の“目利き“のチカラを活用
郷土料理 青柳(有限会社親和商事)は1949年の創業時から長年にわたり培ってきた「食・人・時」の“目利き“のチカラを活用し、「SDGs(持続可能な開発目標)」に掲げられた様々な課題解決に本業で取り組むことを宣言しました。
当宣言に至るまで2021年1月から6か月間にわたり、従業員一人ひとりがSDGsを自分事として考え、そして全社一体となって目標・計画の検討を重ねてきました。
目次
◆◆社内発表会◆◆
リーダーの皆さんの感想
合同会社 e-career connect 秋山より
◆◆代表取締役社長 倉橋篤氏 インタビュー◆◆
◆◆ e-career connect ご利用のご感想◆◆
社内発表会
掲げた目標・計画に向けてのスタートが切られた7月1日。代表取締役社長の倉橋篤氏による社内発表が行われ、青柳様として取り組むSDGs達成目標・計画が従業員全員に共有されました。
リーダーの皆さんの感想
今現状わたしたちが取り扱っている料理、商品、サービスなどがどれぐらいのレベルなのか、改めて見つめなおす機会となりました。今後の青柳にとって、そして周りにとって、どのように貢献できるか、ということを考えて、うまくまとまったんじゃないかと思います。
今やっとSDGsのことが社会的に取り上げられている中で、青柳が先手を打った形で取り組めていることが素晴らしいな、と思っています。
これからもいろいろ勉強させていただきたいです。
最初は漠然と、何をしたらいいんだろうと言う思いもあったのですが、こうやって明確化されることで自分たちがどうやって取り組んでいくのか、ということが分かりました。
これからも計画に沿って取り組んでいきたいと思います。
なかなか力を発揮できないままリーダーをさせていただいて・・・僕がリーダーしているの忘れてる人もいるんじゃないかな(笑)。社長が最初に言われた、「楽しくないとボツにする」って言葉。まさに今日改めて目標を見て、わくわくすることばっかりだなって思いました。
今回、青柳SDGs取組の全体リーダーの役割を担った黒川さん。
私たちが生きるこの地球を「良くしていく」ため。明確で具体的で肯定的な行動目標を社内で立て、私たち自らがそれを仕事として実践できる事の素晴らしさを感じています。
1人1人が主役で!目標達成します!
「今から始まるんだ!」という勢いと力強さ、熱い想いを感じるリーダーの皆さんの言葉でした。
合同会社 e-career connect 秋山より
皆様、6ヶ月間お疲れ様でした。大変だっただろうと思いますが、自分の仕事が何につながっているのだろう、他の人の仕事はどうなんだろう、という会話が十分にできる、よい時間だったと思います。
今日は、2030年に向けた「スタートの日」です。
皆さんが決めた目標です。達成に向け、これから行動していかなければいけません。
熊本県郷土料理の老舗「青柳」の今後の動向に、行政はもちろん、多くの企業が注目しています。SDGsについて皆さんがしっかりと理解し、“目利き”のプロ集団として頑張っていきましょう!
代表取締役社長 倉橋 篤 氏 インタビュー
社内発表後の倉橋社長に、今回の取り組みについて伺いました。
左:インタビュアー 合同会社e-career connect 三好真代
SDGsは百年企業の足がかり。不安な時だからこそ「楽観的に」。
ーSDGsを導入しようと思ったきっかけについて教えてください。
1年半ほど前に一度取り組だことがあるんですよ。だからSDGsが初めてっていう訳ではありませんでした。その時は「個人目標」は決めたんですが、それをなんとなく17のゴールに繋げたところまでで終わっていました。
私としては、個人目標に留まらず、会社として取り込みたいなぁという想いがあったのですが、いざ取り組むとなると何からやればいいのか分からなくて。そこにお客様として来店されていた e-career connectの秋山さんがSDGs導入の支援をされていると聞いたんです。12月に導入支援をお願いして、翌1月には「SDGsに取り組みます!」と社内で発表してました(笑)。
ー決断が速いですね!その時の社員の皆さんの反応はいかがでしたか?
また始まった、みたいな感じで。
昨年度は「プロジェクト10」という取組みをしたんです。デザート強化プロジェクトとか、インスタフォロワー数UPなど、10のチームがそれぞれの目標を掲げて10個のプロジェクトを進めました。成果も出ましたし、表彰も行いました。
そこに「今度はSDGsやるよ!」と。それで「また社長が何か言い出した!」って反応です(笑)。
SDGsのゴールって2030年。9年後じゃないですか。青柳の目標として100年企業を目指すことを掲げていますが、100年企業になるにはあと30年もあるんです。でも2030年、9年後だったらちょっとピンとくる。さらに、5年後、3年後、って短期目標にしていけばもっと目指しやすくなる。
コロナ渦や災害で不安なことが続いている状況ですが、だからこそ楽観的に将来のことを考えようと。そこにSDGsがぴったりだと思いました。
ー従業員の皆さんは社長と同じように「楽観的に考えよう!」となられましたか?
みんなはじめは「課題」を考え出すんですよ。難しく。私としてはそうじゃなくて、「楽しい」が大切だと思っています。だから「楽しいやつじゃないとボツにするよ」とみんなに言ってましたね(笑)。
ー「楽しくないとボツにする。」名言ですね。
「好き放題」を叶えた社長の我慢。そして全員参加経営の姿に。
ー今までやってきた「プロジェクト10」と、今回のSDGs。取り組んでみて何か違ったところはありましたか。
みんなが自分の意見を言っていたなって思います。仕事をする上では先輩とか後輩とか、それぞれの役割がありますが、SDGsの取り組みを考える時ってそういうことは関係ないじゃないですか。結構みんな好き放題言っていて(笑)。
その「好き放題」っていうのが大事だと思うんです。〝 時の目利き ” の「清正アバター」とか、「赤牛を育てる」なんていう自由な発想も出ましたね。
ーそして「好き放題」意見も採用されてますね。
これまでは現状の問題を明らかにしてそれを解決しようっていうような、「問題がある」の延長線上のものを考えがちだったんですよ。でも今度は、できるかどうかは分からないけど、とにかく生産農家が持続可能になるために、とか、 ARで清正アバターを開発するとか。楽しくて、わくわくすることを考えて行かなくちゃね。
ー取り組んでいく中で、社長として一番困難に感じたことは何だったでしょう。
口を出したらいかんっていうところ(笑)。
言いたくて言いたくてしょうがなかったんですけど、「我慢して!」って秋山さんに言われて。それが一番の困難でしたね。
今回の4つのチームのリーダーは選挙で決めたんですよ。正直なところ、4人のリーダーが決まった時、少し不安があったんです。大丈夫かなって思いで、口出ししたくなりました。でも「そこは私がサポートするから大丈夫!」と秋山さんに言われて。皆が決めた通りのチームでスタートしたんです。
ー社長が我慢して口を出さなかった結果、どうだったでしょうか。
我慢して正解でした。僕の枠じゃない意見が出たのがすごく良かった。1月の時点ではみんな不安そうだったり、他人事のような様子だったのですが、今日は違いました。みんな自分事として、身を乗り出して発表を聞いてくれていました。
経営者が参加させる、ではなくて、従業員全員が自ら参加する姿がある。これが全員参加経営なんだって、感じました。今日はみんなのそんな姿を見れて本当に良かったです。
これまで培ってきた「安心安全な環境」があったからこそのコンセンサス。
ー社長から見て、従業員の皆さんが大変そうだなぁと感じた事はありましたか。
意見が出すぎるんですよ。そして出た意見が同じ方向にいかない。コンセンサスを取るっていうのが難しそうでした。職場での関係性もある中で、本当によくまとめてくれたなぁって思いますよね。
ーどうしてそんな風にうまくまとまったんでしょうか。
もう5~6年になるかな。月1回勉強会をしているんですよ。部門をバラバラにして今回みたいにグループに分けて、1つのテーマについて話をするんです。「なぜ鬼滅の刃はヒットしたのか」とか。
ー料理とか仕事とは全く関係ないテーマなんですね。
そうそう(笑)。そういうので自分が意見を言っても大丈夫なんだっていう信頼とか安全性を感じる環境ができていたんでしょうね。うまくまとまったのは、そういう素地があったからかな、と感じましたね。
ーこれまで青柳さんとして培ってきた従業員同士の安心安全な環境が、今回のSGDsへの取り組みで露わになった、ということでしょうか。
はい。改めて、素晴らしい従業員達だなぁと思います。
先制的ヘッドシップがスタートダッシュを切る「波」を作る。「夢中になれる仕組み」でSDGs達成に貢献したい。
ー目標を立てて、さぁ、これからスタート!ですね。現実的にどんな風に展開していくと思われますか。
実はもう、何個か着手してるんです!
みんなが色々なアイデアを出してくれているときから、あーこれやろう!って思って。公官庁や他団体にも足を運んで申請や応募をすでにしています。
ー社長は従業員の皆さんへの口出しを我慢している間、その種まきに奔走していたんですね!
いや本当にみんなよく頑張っていました。発表のスケジュールは決めた日程があったので、発表までにそれぞれのチームが自主的に集まったりしてて。僕も一緒にやりたかったなぁ、なんて。なんか僕が取り残されてる感があって寂しかったですよ。
だから僕ができる種まきをやろう!と。みんなが出したアイデアの種から6カ月後には必ず何かしらの成果を出さないと、と思っています。僕はたまたま社長をさせていただいていますが、社長という肩書と権限で社外に折衝にいくと、それなりに対応して頂けることが多いですから。目標立てて0スタートじゃなくて、すでにみんなが乗れる「波」を作っておけば、スタートダッシュがしっかり切れるでしょう。僕はスタートダッシュどころか、超フライングしてますけどね(笑)
ー先ほどの社内発表の時、リーダーのお一人が「他の会社がこれから、って時に社長が先手切ってやってるっていうところが素晴らしい」と発言されていらっしゃいましたね。社長の超フライング的リーダーシップ、ですね。
リーダーシップ、っていうか、先制的ヘッドシップかな(笑)。
観光課から電話かかってきたり、唐突に届くものがあったり・・・社長がまたなんかやってるぞ―みたいな、みんな僕の動きには気づいていると思います。
ー社長が自ら先陣を切って動いている姿が、みんなの力にもなっているのでしょうね。
トップがやらんと、ですね。僕だったら・・・お前がやれ!って言われてやるの、嫌ですもん。そして、やるからには楽しくないと、ですね。
ー「楽しくないとボツにする。」でしたね(笑)。
はい。ごまんとある会社の中で、青柳を選んで働いてくれる従業員がいる。一緒に働いて、気がついたら10年、20年、30年経って。そのとき振り返ると、「なんかよく分からんけど色々チャンレンジして楽しかったです!」みたいな。なんかそういうのが豊かな人生なのかなって思うから。従業員のみんなが、家族も含めて、「青柳で働いててよかった!」って言ってもらえると嬉しいです。
そしてSDGs。バッチを付けているだけではなくて、従業員全員が「SDGsに取り組んでいます!」と、自分事として理解し実際に取り組んでいる。それが青柳です。
青柳のこのような取り組みが周知されていくことが、青柳の価値を高め、飲食業界全体の社会的地位を高める。そしてもちろん、熊本にも貢献できる。
そのためにも、ゲームに没頭する、みたいに「夢中になれる仕組み」を作って、それを実現していきたいですね。
e-career connect ご利用のご感想
ー最後に。今回 弊社e-career connect 秋山がSDGs導入の支援をさせていただきましたが、いかがだったでしょうか。
最初は不安でしたが、リーダーたちと本当に密にコミュニケーションを取ってくださって。そこが頼んでよかったなぁと一番思う点です。
僕とのやり取りだと・・・社長だからですね、どうしても「ノー」って言いづらい部分があるでしょう。そこに秋山さんが上手に入ってくれたから、うまく従業員の意見を引き出してもらえた。今回の取り組みがうまくった要因として、それは大きかったです。
ー社外の人間として入ったからこそサポートできた部分があった、ということでしょうか。
そうですね。取り組む前は何でも不安ですよね。でも今回秋山さんにお願いして、十分にその成果を感じることができています。SDGsには「ジェンダー平等を実現しよう」という目標がありますが、e-career connect で女性の方々が活躍されていらっしゃるところも、なんかいいなって思っています。
本当にありがとうございました。
ー本日は貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。